ワークアウト虎の巻

骨格が華奢な人でもカッコイイ体を目指そう!

正しいHMBの摂取量はどれくらい?論文を元に検証!

どんなサプリメントでも容量用法があり、HMBもしかり。パッケージの裏面を見ると、1日の適切な摂取量が記載されています。ですがこの摂取量は、商品によって異なります。しかも日本のタブレットタイプのHMBサプリの場合、「XX粒飲んでください」と書いているのみ。実際にHMBという成分が、そのXX粒にどの程度含まれているかが分かりにくいです。

一方で、日本のHMBサプリの説明サイトを見ると、「摂取量は3,000mgが推奨」などと書いていたりします。さらに海外のHMB製品の容量用法(usage)を見れば、「3,000mg」と記載されていたりします。ということはHMBサプリの摂取量は、3,000mgが適切なのかもしれません。

でもなんでHMBの摂取量は、3,000mgが適切なの?HMBの摂取量は全ての人に共通?男性も女性もHMBの摂取量は3,000mgでいいの?

このページでは、HMBの適切な摂取量が何gかだけでなく、なぜそれが適切かの理由を確認するため、いろんな論文を参照しました。適切な摂取量の設定の背景にはいろんな実験が存在しているので、興味のある人はぜひ見てください。

なぜHMBの適切な摂取量は3,000mgなのか?筋肉に与える影響は?

当たり前のように語られている、「HMBは1日3,000mgが適量」。何故この3000mgという数字がHMBの適量として一般的になったのでしょうか。

HMBの世界的権威であり、HMBのライセンス「HMβ」を保有する会社「MTI Biotech」の創業者であるSteven L. Nissen教授は、過去に多くのHMBに関する論文を発表しています。彼の1996年の以下の論文では、0mg、1,500mg、3,000mgの3種類のHMB(この論文ではHMBCaと定義)の摂取において、その効果を比較検証したところ、3,000mgの摂取がもっとも除脂肪体重が増加したそうです。

 

Effect of leucine metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate on muscle metabolism during resistance-exercise training

 

おそらくこの論文がきっかけで3,000mgを適量とする流れが作られたのではないかと思います。

 

以降、さまざまな研究者がHMBの効果を検証し論文を発表しました。以下の論文では、HMBの効果を実験で確かめた論文を多く紹介しております。「HMBは効果があった」とする論文だけでなく、その逆で「HMBは効果なし」と結論づける論文も紹介しています。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov


その中で、「HMBは効果があった」と結論づける論文を約20件紹介していますが、そのほとんど全てが HMBの1日の摂取量を3,000mg(1,500mg:1件、3,000mg:17件、6,000mg:1件)で実験しています。

 

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ちなみにこのHMBの摂取量は全てHMBCaではありません。確認したところ、論文によって「HMBCaを3g」と明記している場合と、最近やっと商品が出だした「HMBFA(HMBほぼ100%)を3,000mg」の場合と、そもそも明確になっていない場合の3パターンがあります。

3,000mg以上摂取するとどうなるか?筋トレの効果はどうなる?

毎日3000mgのHMB摂取は効果があるというのはわかったけど、それ以上飲んだ方が効果が出るんじゃない?と考えるのはごもっともです。上で紹介した論文の中で「3,000mgと6,000mgの比較」をした論文(2000年)を参照すると、効果の違いを以下のように結論づけています。

www.ncbi.nlm.nih.gov

it appears that higher doses of HMB (i.e., > 38 mg x kg(-1) x d(-1)) do not promote strength or FFM gains.

 

翻訳すると「1日3,000mg(38 mg/kg/d)以上のHMB摂取は、筋肉の強度(strength)も除脂肪体重(FFM, Free Fat Mass、体重から脂肪を除いたもの。筋肉量と読み替えられる)も上がらない」。以上より、HMBの摂取量は、3,000mgを適量とすることが妥当であると考えられます。

日本人の摂取量は毎日3,000mgでいいのか?

日本人を対象としたHMBの効果を確認する実験は極めて数が少なく、貴重な論文を2つ紹介します。まず一つ目は、日本体育大学でおこなわれた、日本人短距離アスリートを対象としたもの。毎日3,000mgを4週間摂取し、筋肉の強度および筋肉量が増加するかを見たところ、残念ながらHMBを摂取しない人たちと比べて有意な結果は出なかったと結論づけています。ただし、筋損傷の回復を促進する可能性が示唆されたとのことで、HMBの筋合成の促進の効果が確認できたのではないでしょうか。

レジスタンストレーニング時のβ-Hydroxy β-MethylButyrate(HMB)摂取が筋力、身体組成および血液生科学的指標に及ぼす影響(日本体育大学大学院、体育科学研究科)


そして、この実験を行なった教授が2016年、再度実験を行なったのがこの論文。明確に日本人と明記はしていませんが、摂取したプロテイン(バルクスポーツ)や計測器(TANITA)などが全て日本製。日本人を被験者として実験したと見ていいでしょう。この実験では、HMBを毎日3,000mg摂取しています。

jissn.biomedcentral.com


この実験はそもそも「プロテインとHMBを同時に摂取するとどうなるか?」ということを検証するもので、かつ5日間(全体で12日)のみ。よってこの論文は、HMBの適量を説明するのにはあまりふさわしくないかもしれません。

日本人女性の摂取量は3,000mgが適量なのか?体重を基準に目安は?

現在日本では、女性向けHMBサプリが複数登場しています。一般的なHMBサプリと比較すると「用法通りに摂取すると、1日あたりのHMB摂取量が少ない」という特徴があります。このことから、女性の適量は3,000mgではなく、それ以下なのではないか?という疑問が生まれます。特に日本人女性は西洋の女性よりもカラダが小さく、HMBの摂取量も少なくしないとカラダに悪影響があるかもしれない、と思いがちですが、これもいくつかの論文を見て行くことにしましょう。

以下の論文は、20〜40歳の、39人の男性と36人の女性が被験者で、毎日3,000mg摂取した結果「性別関係なく除脂肪体重が増え体脂肪率が減った」となったそうです。ただしこの被験者は明らかに日本人ではないので、日本人女性の適量を説明する参考資料としては弱いです。

www.ncbi.nlm.nih.gov



もう一つの論文は、HMBがここまで有名になったきっかけを作ったと言っていい文献です。厚生労働省が2015年にリファレンスしたこの論文は、台湾の寝たきりの高齢者を被験者としました。被験者が1日に2,000mgのHMB(この実験ではHMBCaを使用)を4週間摂取したところ、2週間で効果が出たとのこと。台湾人は日本人に近い食生活、体格を持っているので、日本人と読み替えてもよさそうです。

 

Effect of β-hydroxy-β-methylbutyrate on protein metabolism in bed-ridden elderly receiving tube feeding(Asia Pac J Clin Nutr 2010;19 (2):200-208)

寝たきりの高齢者でも2,000mgのHMBを使用できているわけですし、ダイエットなどを通じてカラダ作りに励もうとしている健全な女性にとって、2,000mgのHMBが問題ありとは考えにくいです。とはいえ、3,000mgの摂取に対して不安が拭いきれないのであれば、女性向けのHMBサプリを購入されることをおすすめします。

おすすめHMBサプリの比較ランキングはこちら

HMBの摂取量の適量がいろんな論文を通じておわかりいただけたかと思います。日本のHMBサプリの用法を見ると、以下の通り少なめの適量となっていますので、飲み過ぎることもないでしょう。

  • バルクアップHMBプロ:1日5粒(2,400mg うち、HMBCa 2,000mg)
  • 鍛神HMBCa2000:1日6粒(2,460mg うち、HMBCa 2,000mg)
  • HMB極ボディ: 1日3粒(3,000mg  うち、HMBCa 2,100mg)


あとは、HMBCaの含有量以外の、価格やそれ以外のサポート成分を総合的に見て、自分にあった商品を探すことが重要だと思います。しかし、今市場には数多くのHMB商品が売られており、何を買っていいか迷ってしまいます。そんな皆様のために、人気HMBサプリの比較ランキングを作成していますので、以下のリンクよりぜひ見てみてください。きっとあなたが欲しいHMBサプリが見つかるはず。



HMBの含有量が抑えめのおすすめ女性向けHMBサプリはこちらで紹介していますので、併せてチェックしてください。

おすすめの摂取タイミング「就寝前」「起床後」「トレーニング前後」

HMBサプリの適切な摂取量がわかったら、次に気になるのは、「おすすめの飲むタイミングはいつ?」ということ。過去のエントリーで、HMBサプリを飲むタイミングについてまとめていますが、改めていうと、「就寝前」「起床後」「トレーニング前後」です。

ポイントは「筋肉の分解や合成が活発するタイミングで、HMBの血中濃度を高くする」こと。睡眠や仕事などで長時間栄養補給ができないと、血中アミノ酸濃度が低くなり、カラダは筋肉を分解し筋肉からアミノ酸を作ろうとします。また、筋トレなどのトレーニングを行うことで筋線維が切断され、その後カラダは切断された筋繊維を修復するため、筋合成を活発化させます。

この様なカラダの状況にHMBの筋分解の抑制、筋合成の促進という二つの効果をもっとも効率よく対応させるためには、上記の3つのタイミングが推奨されるのです。

詳細はこちら

注目の「HMB入りプロテイン」の栄養素とは?コスパに気をつけて

最近、HMBに注目したサプリメントメーカーが、HMB入りのプロテインをリリースしています。飲むタイミングがプロテインもHMBもほぼ同じなので、このコラボレーションは非常に納得が行きます。例えば国内サプリメントメーカーのDNSは、ハイスペックなプロテイン「ホエイプロテインSP」を発売しています。

www.domeshoppingzone.com



1スクープでなんとHMB(HMBCa)が1,500mgも摂取できます。しかもHMB以外に筋トレ用サプリとして有名なグルタミンが5,000mg、シトルリンが500mg、アルギニンが500mg入っています。この様な成分が入って、1,000gで7,560円は非常にコスパがいいと思います。

しかし一方で、他のHMB入りプロテインの中には、「プロテインとHMBを別々で買った方が全然お買い得なのでは?」と思われる様な商品も。一見お買い得の様に見えますが、しっかりコスパを考えて購入するかを決めてください。

 

 

以上!

HMB、カルシウムの有無で何が違うか?意外な効果とは?

HMBサプリを色々と見ていると、「HMB」というものと、「HMBカルシウム」の2種類の言葉が見つかると思います。この二つは違うものなのか、それとも同じものなのか?HMBカルシウムを買っていいのでしょうか?

実は、世の中のHMBサプリは、タブレットタイプもパウダータイプも全てHMBカルシウムを原料としています(一部液体の商品を除き)。なぜこのような状態なのかも理由があります。

このページでは、HMBカルシウムがどういうものかを科学的に説明します。そして、このサプリを摂取すると、日本人の慢性的なカルシウム不足を解消する一助になることも解説します。

カラダ作りにも重要なカルシウムが同時に取れるサプリは、意外と貴重です。ぜひ読んで見てください。

ダイエットやスポーツのパフォーマンスを向上させる筋肉サプリ「HMB」

workout虎の巻で特集している「HMB」というサプリが肉体に直接与える効果が、筋肉の合成促進と分解抑制ということは幾度となく説明してきました。そして、このサプリの効果を発揮させるには、筋トレなどの「高負荷トレーニング」が必須であることもお話しました。逆にこのトレーニングがないと、効果は発揮されないと言っていいでしょう。

もともとフィットネスの分野で筋肥大を目的として飲まれることが多いHMBですが、最近ではダイエットや、スポーツのパフォーマンスをあげるために飲まれるケースも増えてきました。今ではダイエットサプリにHMBが含まれたり、スポーツ用品メーカーがアスリートを対象としてHMBサプリを販売したりしています。筋肉に与える効果を考えると、このような状況は簡単に理解できます。

この筋トレサプリ商品の原料は一体なに?

HMBサプリのパッケージの裏面を見ると、名称に「HMBカルシウム含有食品」と書いてあります。国内の製品はもちろん、海外の製品(例えばNow Foods HMB)も、「HMB from Calcium β-Hydroxy β-Methylbutyrate Monohydrate」という名称になっています。一体どういうことでしょうか?

 

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出展:Now Foods HMBパッケージ


実は、HMBのタブレット型、パウダー型の商品の原料は、全てこのHMBカルシウム。HMBカルシウム(HMBCa)とは、HMBにカルシウムが結合したもの。摂取したあと、HMBCaは体のなかでHMBとCaに分解されて、その後HMBが吸収されて血中に入っていきます。

 

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出展:Chemispider

なぜHMBがカルシウムと結合しているかというと、HMB自体が常温では液体で、カルシウムと結合させタブレットやパウダーになります。

 

なお、HMB商品に、「HMBCaが2,000mg」と書いてある場合、HMB自体は2,000mg入っている訳ではありません。HMBCaの化学式は「C10H18CaO6(分子量 274、Caの原子量 40)」なので、HMB自体は全体の8割強となります。

食事の変化で日本人は慢性的にカルシウム不足(厚生労働省の調査結果)

日本人がカルシウム不足なのは有名な話です。厚生労働省の調査でも指摘済み。理由は日本という国の置かれている環境と食文化。日本の飲料水は軟水でカルシウムなどのミネラル分の含有量が少ない。さらに西洋文化の浸透による、魚から肉へのシフトにより、カルシウムを取る量が減少。欧米の人のように、ミネラル分を多く含む硬水を飲む訳でもなく、牛乳や乳製品を好む訳でもないので、日々の食生活から摂取するカルシウム量は限定的です。

カルシウムが欠如することによって肉体にはいろんな影響が出てきます。脳の神経細胞の働きが低下してイライラしやすくなったり、さらには、血管の老化を早め高血圧や動脈硬化の可能性も高くなってきます。我々日本人は、過度なくらいにカルシウムを意識して摂取することが重要だと言えます。

このサプリメントの意外な効果「1日に必要なカルシウムの半分が摂取できる」

厚生労働省のレポート「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」によれば、成人(30-49歳)の1日に摂るべきカルシウム摂取量の推奨量は、男性も女性も「650mg」としています。一方で現実の推定摂取量は「550mg」。100mgほど不足していることになりますが、カルシウムが不足しているのは成人だけではなく、全世代。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要(厚生労働省)


もともとHMBサプリは、HMBという成分を摂取するのが目的ですが、同時にカルシウムも相当量取れるのは意図せぬメリットです。HMBCaの推奨摂取量は「3,000mg」とされていますが、この量のHMBCaを摂取した場合、実はカルシウムが300mg以上取れることになります。1日の目標量の半分が取れるのは嬉しい。

一方で、食品からカルシウムを取ろうとすると、以下の通り。以外と簡単と思うかもしれませんが、特に仕事などで忙しい成人が毎日この分量を取ろうとすると、意識をしないとかなり難しいでしょう。さらに吸収率を考慮すると、さらに多くの食品を取らなければなりません。

 

  • 牛乳 コップ1杯(200g) 220mg
  • 小松菜 1/4束(70g) 119mg
  • ししゃも 3尾(45g) 149mg
  • 納豆 1パック(50g) 45mg

大切な栄養素カルシウム:農林水産省

 

人気HMBサプリの比較ランキング

現在たくさんのHMBCaサプリが存在しています。海外製品も入れればおそらく何十種類にもなっているはず。何を買っていいか迷ってしまいます。そんな皆様のために、主要HMBCaサプリの比較ランキングを作成しました。

値段、成分など複数の基準で10種類以上のHMBサプリを評価し、その中でもおすすめの商品を紹介しています。カラダ作りに本気になったあなたに、ぜひ見て欲しい比較ランキングです。以下のリンクからどうぞ。

このサプリメントの成分が日本にとって重要なもう一つの側面

フィットネスの世界のみならず、ダイエットやスポーツに応用利用されているHMBカルシウムですが、今後応用されると思われるのが高齢者向けヘルスケア。筋肉量が落ち骨密度が低下する高齢者にとって、また高齢化社会に突入した日本にとって、HMBカルシウムの効果「筋肉の分解抑制」「カルシウム摂取」は非常に重要になってくるでしょう。

HMBに関する日本でもっとも有名な厚生労働省の2015年のレポートで、高齢者のHMBカルシウムの摂取の重要性について言及しているのは非常に納得のいくところです。すでにいくつかの高齢者向けサプリにHMBカルシウムが配合されだしていますが、この流れは今後も間違いなく続くのではないでしょうか。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042643.pdf

 

 

以上!

HMBとクレアチンの相性を徹底解明!

HMBサプリをネットで検索していると、よく目にするのが「クレアチン」という単語。

ご存知の方もいると思いますが、クレアチンは、常に人間の体内に存在しているもの。この成分の効果はシンプルで、「今までよりもパワーが出て、もうひと頑張りができる」。90kgしか上がらなかったベンチプレスが100kgになったり、10回しか上がらなかったのが12回まだ上がるようになったり。

一方でHMBは筋肉の分解抑制と合成促進の効果がありHMBとクレアチンの接点がよくわからない。

なんでHMBとクレアチンが一緒に語られるの?HMBとクレアチンて何か関係性があるの?

このページでは、クレアチンというサプリ・成分について詳細を説明し、HMBサプリとクレアチンサプリの併用の効果を解説します。ぜひご覧ください。

そもそもクレアチンとは何か?HMBと何が違うのか?

クレアチン(Creatine)とは、筋肉の中に含まれる有機酸の一種。肝臓や腎臓で生成され、成人の体内には100〜140gのクレアチンが蓄えられています。また、生成するだけではなく、日常生活のエネルギーとして、毎日2g程度が消費されています。

かなり昔からサプリメントとして存在していますが、我々は普段の食事からもクレアチンを摂取しています。例えば生肉、生魚には、以下の通りのクレアチンが含まれています。

各食品500gに含まれるクレアチンの量

  • 鰊:3.3g
  • 豚肉:2.5g
  • 牛肉:2.2g
  • 鮭:2.2g
  • 鮪:2.0g

日本食品機能研究会


クレアチンは1日2g消費されるため、それを補う量を食品から取ろうとすると、鮪であれば500g取らなければなりません。食品からクレアチンを摂取するのは至難の業なのです。

このサプリメントの効果は?摂取タイミングは?

クレアチンの効果は、冒頭の通り「今までよりもパワーが出て、もうひと頑張りができる」というもの。クレアチンがパワーの源になるのですが、皆さんのイメージでは「体を動かすエネルギーって、糖質やアミノ酸じゃないの?」ということだと思います。

その通りです。間違っていません。じゃあクレアチンが糖質やアミノ酸を生成するかというとそうでもありません。実は、糖質やアミノ酸がエネルギーとして使われる運動は「有酸素運動」で、クレアチンが生み出すエネルギーが使われる運動は「無酸素運動」。

無酸素運動とは、具体的には重量挙げや短距離走などの「瞬発力」が求められる運動のこと。ぐっと踏ん張ってパワーを出すときに使われるのは、糖質やアミノ酸ではありません。

クレアチンがどうやってこのエネルギーを生み出すか。筋肉にはATP(アデノシン三リン酸)というものがあり、このATPが運動を通じてADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に分解されます。この分解時に発生したエネルギーが、瞬発力のエネルギーとして使われるのですが、クレアチンはADPをATPにもう一度戻し、再度分解できる状態にします。この作用によって、より多くの瞬発力エネルギーを生み出すことができ、今まで10回しかウェイトを挙げられなかったのが12回まで挙げられるようになるのです。

ただ、このリンク先でも確認できる通り、すべての人がクレアチンの効果を享受できるものではありません。取り上げられているいろんな実験結果を見ると、「影響は認められなかった」という記述が散見されます。

「健康食品」の安全性・有効性情報



クレアチンの摂取タイミングは、他の筋トレ用サプリとは少し異なります。他の筋トレサプリと同じく、筋トレ時のパフォーマンスを高めるために筋トレ前に摂取する方法と、もう一つはローディングと言われる方法。

ローディング(Loading)とは、充填のこと。クレアチンは、ある一定量カラダに貯めて置くことができるので、1,2週間かけて通常よりも多くのクレアチンを毎日飲みます。ただしこの飲み方には注意が必要で、体がクレアチンに慣れない様に、ローディング後は一定期間クレアチンを飲まない様にしなければいけません。

併用することで筋肉量の増加が促進される

クレアチンを飲むと、重いものが持てる様になったり、ベンチプレスの回数が増えたりするというのは上述の通りですが、ではなぜそのような成分が、筋肉の分解抑制と合成促進という効果を生むHMBと相性がいい、と言われているのでしょうか?それは、筋肉ができる仕組みを考えると明白です。

筋肉が大きくなるには、必ずその前に筋肉の筋繊維が切断されていなければなりません。切断された筋繊維が修復されるときに、カラダはより強い筋肉を作ろうとして、その筋繊維を太くします。これが筋肉が大きくなるメカニズムです。

では筋繊維が切断されるには、何が必要でしょうか?余裕で挙げられるものを挙げても筋繊維は切れません。力を入れて頑張って持とうとして初めて筋繊維は切れます。クレアチンを摂取することで、今までよりも重い重量を挙げることができるようになるため、より多くの筋繊維が切断されることになります。

ここでHMBの登場です。より多くの切断された筋繊維が修復されるとき、筋肉の合成を促進するHMBが作用すると、より効率的に筋繊維の修復が行われるので、結果的に筋肉の増加量が増えるのです。

以上の説明が、実際の実験を通じて検証された論文があるので、こちらに紹介しておきます。

https://www.nutritionjrnl.com/article/S0899-9007(01)00540-8/abstract



この論文では、HMBとクレアチンの相性を確認するため、被験者を「クレアチンのみ摂取」「HMBのみ摂取」「クレアチンとHMBを併用」でわけ、それぞれにトレーニングをさせました。結果、クレアチンとHMBを併用させた被験者群の除脂肪体重の増加が、他の群よりも大きくなったのです。

 

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(出展:Nutrition 2001;17:558-566)


それだけでなく、その増加分は、HMBのみ摂取した群の平均とクレアチンのみ摂取した群の平均を大した増加分以上になりました(上記グラフ参照)。特殊な化学反応等があるとは想像できませんが、いずれにしてもこの結果より、HMBとクレアチンの相性は間違いなく「良い」、と言えます。

クレアチン配合サプリは「買い」か?

人気HMBサプリには、サポート成分としてクレアチンが含まれる商品があります。workout虎の巻のランキングで取り上げているHMBサプリに関しては、およそ半分の商品にクレアチンが入っています。おそらくサポート成分としては一番人気のある成分でしょう。

ただしあくまでサポート成分としてなので、クレアチンの含有量はごくわずか。最近以下の様な「HMB+クレアチン」なる商品が発売されましたが、商品名にクレアチンと明記されていても、HMBCa1500mgに対して100mg。まぐろの刺身2切れ分程度。

 

noguchi-shop.com

 

先ほど紹介した論文も、被験者に与えたクレアチンは、以下の抜粋の通り、「最初の1週間は1日20gで、その後は1日10g」という、かなりの量です。

 

The CR/HMB group took 20 g of CR and 3g of HMB daily for the first 7d and then 10g of CR and 3g of HMB daily for the remainder of the study.

 

クレアチン自体はHMBと比べるとかなり廉価です。安いものでは、1kgで2000円弱。本気でクレアチンとHMBの相乗効果を狙って短期間で肉体改造を行うのであれば、HMBサプリとは別で、クレアチンサプリを購入することをおすすめします。

併用するべきその他筋トレ用サプリメント「プロテイン」「BCAA」

  • プロテイン

HMBサプリで筋肉をつけようとしても、筋肉の元がないと全くの無意味。筋繊維が修復されるとき、筋肉の元となるアミノ酸(タンパク質が代謝されたもの)が体内に十分にないと、筋肉量は増えません。普段の食事を通してタンパク質をたくさん摂っていれば問題はありませんが、仕事や家族などで忙しい場合はどうしても不足してしまいがち。
そんな時にお手軽にタンパク質を摂取できるのがプロテイン。昔は「飲めば太る」という悪いイメージがありましたが、ここ数年でやっと状況が変わってきました。女性の間でもプロテインダイエットが流行ってきていますし、いろんなプロテイン商品が販売されています。

最近ではウィダーやSAVASがプロテインゼリーやプロテインスナックなどを販売して、どこのコンビニでも買えるようになりました。タンパク質が足りていないなぁと感じた時は、迷わずプロテインを摂ってください。

  • BCAA

プロテインと同様、こちらも筋肉の元となるアミノ酸のサプリメントです。ジムなどに行くと、筋トレをしながらカラフルな飲み物を飲んでいる人がいますが、その正体はこれ。筋トレをするとアミノ酸がエネルギーとして消費され、体内のアミノ酸がなくなってきます。そうするとカラダは、エネルギーとしてのアミノ酸を、筋肉を分解して作ろうとします。筋肉量を増やそうとしている人にとって、これは致命的。

血中アミノ酸欠如による筋分解を防ぐために飲むのがBCAA。この様な筋分解が起こりうる時は、何も筋トレ中だけではありません。例えば、「長時間の断食」と考えられる睡眠は、血中アミノ酸を消費します。つまり寝起きは筋分解が起こりうるタイミング。そんな時BCAAを飲むことですぐに血中アミノ酸濃度が回復します。

HMBサプリ比較ランキングはこちら

workout虎の巻では、本気で理想のカラダに向けて取り組もうとしている方のために、おすすめのHMBサプリをランキング形式で紹介しています。クレアチンなどのサポート成分だけでなく、値段などいくつかの評価ポイントを数値化しています。何を買えばいいか迷っているのであれば、ぜひこの比較ランキングを見て、あなたにあったHMBサプリを見つけてください。

 

 

以上!

HMBを飲む適切なタイミングを徹底解説!

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日本のHMB商品の殆ど全ては、用法に「1日にXX錠とってください」と書いています。じゃあいつ飲んでもいいのでしょうか?

HMBはサプリメントであり、食品です。いつ飲んでも問題はありません。多くのサプリメントが、飲むタイミングを指定していないのはそのためです。一方でプロテインは、運動後や寝る前、起床時に飲むことが推奨されています。理由は、タンパク質がカラダに吸収されやすいのがそのタイミングだから。

 

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プロテインを飲むタイミング(出展:SAVASオンラインサイト)


ということは、同じようにHMBサプリも、おすすめの飲むタイミングというのがあるはず。

HMBサプリを飲む適切なタイミングにはいろんな説があります。一番重要なのは、HMBの効果を最大化させること。このことを頭に起きつつ、HMBがどの様に体・および筋肉に作用していくかを理解しておけば、自ずと飲むタイミングは決まってくるでしょう。

このページでは、筋分解が活発化するタイミング、筋合成が活発化するタイミング、HMBの効果が最大化するタイミングの3つのタイミングに焦点をあてて、HMBサプリを飲むべき適切なタイミングを明らかにしていきます。

血中HMB濃度が重要、最も濃度が高くなるのは摂取後2,3時間後

まずHMBの効果を最大化させるにはどうすればいいか?例えば風邪薬を飲むと、1時間程度でじわじわと効果が現れ、物によっては副作用で眠たくなって来ます。その後5,6時間に渡って風邪薬の効果は続きます。一方、お酒を飲むと、普通の人は30分もせずにアルコールの効果を感じるはず。飲み続けない限り2時間もすればアルコールが抜け普通の状態に戻ります。

HMBサプリもおなじ事。サプリを飲むとHMBという成分をカラダが吸収し、その後血液に乗って体内に循環します。その後一定時間HMBの成分が効果を発揮し続けます。HMBの効果が最大化されるのは、血の中のHMBの濃度(血中HMB濃度)がもっと高くなるところ。

このHMBの血中濃度を調べたのがこの論文。この論文によると、摂取後2,3時間すると血中HMB濃度が最も高くなり、10時間後ほとんどなくなります。

www.ncbi.nlm.nih.gov

血中濃度を常に高く維持するための飲み方「数時間ごと」

人間のカラダは、新陳代謝を通じて常に筋肉の分解と合成を行っています。この日常的な筋肉の分解を抑える事もカラダ作りには重要で、そのためにもHMBを摂取するべきです。つまり、HMB血中濃度を日常的に常に高く維持する事が大切。

そのためには、この血中濃度の変化を考慮に入れ、3時間ごとにHMBサプリを飲むというのが考えられます。例えば起きている時間が15時間だとすると、朝から3時間起きに飲んで、最後に寝る前に1回、合計6回。1日に3000gが適量なので、500mgごとの摂取。
ただ3時間ごとに摂取するというのは非常に難易度が高いです。幸いなことに6時間経ってもそれほど血中濃度が下がらないので、朝、昼、晩の3回でも許容範囲でしょう。

注意するタイミングその1:空腹が長時間続く時

長時間の打ち合わせや外出時

もしあなたが社会人で、仕事の関係上タイムリーに食事やサプリを摂取できない場合は、さらに摂取タイミングは気をつけたほうがいいと思います。打ち合わせや外出などで、長時間何も口にできない場合、血中アミノ酸濃度は低下し、残念ながら筋分解は普段より活発化します。

この状況を回避するためには、トイレ休憩など5分程度の休憩時に、HMBサプリを飲むこと。ですが、普段からサプリを持ち歩くことは至難の技ですよね。外出時などはHMBサプリをピルケースに入れて、小分けにして持ち歩きましょう。粉末タイプのHMBは全くおすすめできません。

 

もし、どうしても長時間空いてしまう場合は、打ち合わせや外出前に、普段よりも多めにHMBサプリを摂取しましょう。

睡眠時

もう一つ気をつけなければならない空腹タイミングがあります。それは寝ている時。寝ている時は、食べ物を食べることができないので、数時間で血中アミノ酸濃度が低下し、筋肉が分解されやすくなります。

この状況を回避するためには、一回起きて、HMBサプリを飲むこと。ですがそんなことは一部の限られた人しかできません。ですので、就寝前に、普段よりも多めにHMBサプリを飲みましょう。

注意するタイミングその2:筋トレ後

HMBのもう一つの効果、それは筋肉の合成の活性化。筋肉の合成が最も活発化するのは、みなさんご存知の通り筋トレ後です。筋トレ後2,3時間以内に筋合成が最も活発化します(以下論文参照)。このピークを狙ってHMBの血中濃度を高めるためには、筋トレ直後に飲むというのがもっとも効果的と言えます。

Nutritional regulation of muscle protein synthesis with resistance exercise: strategies to enhance anabolism | Nutrition & Metabolism | Full Text


ただし、だからと言って絶対に筋トレが終わってから飲むべきかと言われるとそうは思いません。筋トレは、集中して行うと大体1時間で終わる場合も結構あります。一部のトレーニーがHMBサプリを筋トレ前に他のサプリとともに飲むのも、間違っているとは言えません。HMBの効果も、筋合成も、2,3時間ですぐ無くなる訳ではないからです。

 

重要なのは筋トレに併せて飲むこと。海外のHMBサプリの用法には、「For best results, use in conjunction with an exercise program(一番いい結果をうむためには、運動プログラムと併せて飲むこと)」などと書いているのは納得です。

 

なお、筋トレ中は筋肉の分解がおこりやすくなります。なぜなら、筋トレのエネルギーとして血中アミノ酸が消費されるからです。ただ、筋トレ中の血中濃度の低下をHMBサプリで防ぐのは得策ではありません。なぜなら筋トレ中のアミノ酸消費スピードは、HMBがカバーするスピードをはるかに上回っているから。


筋トレ中のアミノ酸不足を防ぐのであれば、BCAAを飲むのをおすすめします。BCAAを飲むことで30分程度で血液のアミノ酸濃度がピークを迎えます。

プロテインと同じく「毎日複数回、筋肉トレーニング後」飲むのが大切

HMBの適切な摂取タイミング、および重点対策タイミングを整理しました。結果、プロテインと同じように飲めばいいということですね。飲むタイミングもほぼ同じ。併せて飲めばすごく効率的。最近HMBを含んだプロテインが発売されたのも納得です。

サプリメントを毎日定期的に飲むのは、簡単なようで難しいこと。すでにプロテインを毎日定期的に飲んでいるのであれば、同じタイミングでHMBを飲めばいいと思います。もしHMB以外にサプリメントを摂っていない場合は、朝、昼、晩の食事のタイミングで取ればいいと思います。何かしら定期的に行っている日常的な活動に併せて飲むのが、もっとも忘れずに続けられるコツです。

カラダ作りのプロが教えるHMBサプリの飲むタイミング

他の人は、HMBを実際いつ飲んでるの?という興味をお持ちのあなたに、カラダづくりに関わるプロの方の、HMBサプリの飲み方を3ケース紹介します。やはり、このタイミングに飲まなければならない!という明確なものはないですが、やはりトレーニングの前後でしっかり摂取していますね。

 

ケース1:トレーニング前

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ケース2:トレーニング中

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ケース3:トレーニング後&食後

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人気の最新HMBサプリの比較ランキング情報はこちら

HMBの適切な摂取タイミングが分かれば、あとはあなたにあった商品を選ぶだけ。googleで検索してもたくさんのHMBサプリが見つかるので、何を買っていいか迷うのが正直なところ。

そんなあなたに、今人気のHMBサプリの比較ランキングを用意しました。成分や価格など、みなさんが気になるポイントで10種類以上の商品を比較しランキングをつけました。きっとあなたにあったサプリが見つかるはずですので、ぜひご覧ください。

 

効果をアップさせるサプリとして最近注目の「クレアチン」

クレアチンは、筋トレなどの高負荷トレーニングのパフォーマンスを向上させる、筋トレ愛好家の間では日常的に使われているサプリメントです。HMBとクレアチンの相性がいいという記事をよくみますが、それは筋肉の合成プロセスを考えると簡単に理解ができます。

筋肉ができるためには、まず筋繊維を切断する必要があります。筋繊維を切断するためには、普段よりも重いものを持つ必要があり、簡単に持てるものを持っても筋繊維はきれません。クレアチンは重いものを持つ時のエネルギー源を体内で作る役割を持っているので、普段よりも思いものが持てるようになります。

つまり、クレアチンを飲んで筋トレをすると、今までより多くの筋繊維が切れます。切断させた筋繊維が再び結びつく時に以前よりも太くなり、筋肉量の増分も大きくなります(以下論文参照)。


https://www.nutritionjrnl.com/article/S0899-9007(01)00540-8/

クレアチンは、筋トレの前に飲む必要があります。HMBと併用する場合は、HMBもクレアチンと同じ筋トレ前に飲むのが効率的でしょう。

女性向けアドバイス「ダイエットならプロテインと併用して」

クレアチンは、正直筋トレ中級者以上の人が飲むもの。これからHMBを飲んで筋トレを始めるぞ、という方には少し荷が重いでしょう。その前に試して欲しいのは、筋トレサプリのキング、プロテイン。プロテインとHMBの併用は極めて合理的なのです。

先述した通り、HMBとプロテインの飲むタイミングは同じ。HMBを通じて筋肉をつけていくためには、筋肉の元となるタンパク質が必要です。タンパク質を最も効率的に摂取できるのがプロテインパウダーですので、むしろHMBと最も相性がいいのはプロテインだと思います。

特に女性がHMBを使ってダイエットをしようと考えているなら、積極的にプロテインをとって下さい。プロテインを摂ることで筋トレを通じた筋合成がより活発になります。筋肉をつけつつ脂肪を燃焼させることで、綺麗なシルエットでダイエットが成功するでしょう。

 

 

以上!

HMBサプリを使ってダイエットするために必要なこと

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ダイエットは女性だけでなく男性にとっても重要な関心ごと。毎年いろんなダイエット方法がメディアでは紹介され、その良し悪しが評価されています。最近でいえば糖質制限。

糖質制限で痩せることは可能ですが、脂肪と同時に筋肉もなくなり、人間が本来持つホルモン「レプチン」などの仕業によるリバウンドの可能性も十分にあります。結局どんなダイエットがいいのでしょうか?

最近、このサイトで頻繁に取り上げているHMBサプリが、ダイエットに有効か?ということをよく聞かれます。ネットで調べても、HMBサプリの「本当」が見つからないからでしょう。結論、HMBサプリを飲むだけではダイエットは無理。しかしHMBサプリが、健康的で効率的なダイエットをサポートすることは断言できます

このページでは、HMBサプリを使ったダイエット手法を解説します。HMBで確実にカラダを変えて、短期間で理想のカラダに!

まずはダイエットの目的を明確に、目的次第でHMBは不要

そもそもダイエットの目的は?学生時代にはなかった、腕やお腹周りの脂肪をなくしたいから?多くの人は、単に痩せたいだけでなく、理想のスタイル・カラダになりたい、というのがダイエットの目的でしょう。落としたい脂肪を落として、出るとこが出て凹むところは凹むシルエットが理想。ガイコツのような骨格むき出しのスタイルは、あなたの理想ではないはず。


つまり筋肉が必要。理想のスタイルが筋肉のついた引き締まったカラダだとすると、糖質制限はおすすめしません。脂肪と同時に筋肉も分解されてなくなって行きます。挙句のはてには体力も無くなります。行き過ぎた糖質制限は体に害です。


もっとも重要なのは、体脂肪を落としつつ、筋肉も作るあるいは維持する、継続して行えるダイエット手法を見つけること。

大事なこと「サプリを摂取するだけではダイエットはできない」

改めて言いますが、HMBサプリだけではダイエットはできません。以前(残念ながら今も)「HMBサプリを飲むだけで痩せる」という風に解釈ができるサイトが散見されましたが、なんの根拠に基づいてそのような説明をしているのか不明です。


確かに、HMBサプリの中には、新陳代謝を促進させるような成分が含まれているものがあります。例えば、

  • 黒胡椒抽出物(バイオペリン):鍛神HMBCa2000、BBB HMB
  • 黒ショウガ粉末(クラチャイダム):バルクアップHMBプロ、マッスルエレメンツHMB
  • トンカットアリ抽出物:ハイパーマッスルHMB、ビルドマッスルHMB、パーフェクトボディHMB、HMBアルティメイト、ストライクHMB


上の3種類は、単体でサプリメントが出ているほど有名な成分です。ですが、これらのサプリメントでさえも、「飲めば痩せる」なんていう風には言われていません。しかもHMBサプリには、このような成分がサポートとして少量入っているだけ。


ではHMB自体に、痩せる(つまり脂肪を燃焼させる)効果が期待できるのでしょうか?HMBは筋肉の分解や合成を司る体内の酵素に働きかけるもので、脂肪に対してはなんの作用も及ぼしません。こういったことから、HMBサプリを飲むだけでダイエットになるはずがないのです。

HMBダイエットにトレーニングは絶対必要 「トレーニングなしで痩せた」体験ブログ記事は嘘

人間の体は、何もしていないと筋肉は衰えていきます。「プロテアソーム」という体内の酵素により、筋タンパク質が分解されてしまうから。ですので、筋肉を維持するためには、その筋肉を使わないといけないのですが、普段の生活で筋肉を使う機会はそれほどないでしょう。特に会社勤めの人は座ってばかり。意識的に筋肉を使う必要があるのです。それが筋トレ。


理想のカラダになるためにもっとも重要なのは筋トレ。筋肉をつけて下地を作り、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、より多くのエネルギーを消費するカラダになる。そこに食事制限などがプラスされることで、理想のカラダへ近づくのです。ライザップも、糖質制限だけやっている訳ではありません、ちゃんと筋トレもメニューに入っているんです


じゃあどんな筋トレをすればいいの?いろんな書籍が、日常生活の中でできる筋トレを紹介しています。例えば通勤中につり革を持ちながら腹筋を鍛える、など。でも正直、相当意識を高く持たないと日常生活の中での筋トレは続きません。そんなことをやるなら、集中して短時間で筋トレをする方がいいと思います。

筋肉量増やすのにどんなトレーニングがあるか?運動するタイミングは?

私がおすすめする筋トレはこの2つです。どちらも10分以内でできるものですので、忙しいあなたも、家に帰ってからお風呂に入る前にできる自宅トレーニングです。

 

    • 体幹トレーニング(所要時間:10分) 

有名サッカー選手が取り入れている事で一躍有名になったこのトレーニング手法。動作がゆっくりにも関わらず、道具に頼らずできる短時間筋トレです。筋トレが苦手な人や、これまで運動をしてこなかった人、筋トレ初心者に特におすすめです。

 

  • HIIT(所要時間:5分) 

HIITとは(High-Intensity Interval Training)の略で、短時間で高強度のトレーニングを行う脂肪燃焼を目的としたトレーニング手法です。たった5分ですが、どんな屈強な人でも最後はヘトヘトになるくらいのトレーニングですので、運動経験者や筋トレ中級者以上におすすめです。

さらに効果を上げるためには他の筋トレサプリメントを取ろう

本気でHMBダイエットするなら、できればとって欲しい筋トレ用サプリメントを3つ紹介します。必ず取るべきではありませんが、より効率的に、かつ短期間でダイエットをするのであれば、HMBとともに飲む事をおすすめします。

プロテイン

誰もが知っている筋トレサプリの代表。高濃度のタンパク質をプロテインからとる事で、血中アミノ酸濃度が高まり、筋肉がつきやすくなります。HMBの筋肉合成の促進時にも寄与しますし、筋肉量が増える事で基礎代謝があがり、今まで以上のカロリー消費が見込めます。


なお、プロテインを飲めば太るのでは?というイメージがありますが、間違いです。一般的なプロテインは一杯で約150kcal/250ml程度で、成分の大半がタンパク質。糖質はほとんど入っていません。一方で、コーラ500mlのカロリーは約230kcal。成分の大半は糖質。


タンパク質は体の一部になりますが、糖質は体脂肪になり得ます。大量摂取しなければ、プロテインで太る事はあり得ません。

クレアチン

筋トレをある程度経験すると必ず気になってくるサプリがクレアチン。このサプリは、今まで10回上げていたウェイトを、12,3回上げるためのエネルギーを作り出してくれます。たった2,3回?実はこのたった2,3回が筋肥大に重要。


筋肉は、負荷が同じだとその状況になれて成長しません(筋繊維が切れなくなる)。頑張って10回上げていると、11回目はものすごくしんどくなります。これは、高負荷を上げるためのエネルギー(アデノシン三リン酸が分解されてできる)がなくなるから。クレアチンはこのエネルギーを作り出してくれるため、12,3回のウェイトが上げられる様になるのです。


そうすると、体は今まで以上に負荷を感じるため筋繊維が切れ、その結果筋繊維が更に成長するのです。成長すると筋肉量が増え、基礎代謝が上がります。

BCAA

このサプリも、筋トレをしているとプロテインの次に購入する定番のサプリです。筋トレ中の筋分解を抑制するのがこのサプリの目的です。筋トレをしていると徐々に血中のアミノ酸がエネルギーとして消費されますが、その時肉体はエネルギー源を確保しようとして筋肉を分解しそこからエネルギーを作り出そうとします。


BCAAはそのアミノ酸の塊。ですので、筋トレ中にBCAAを飲む事で血中アミノ酸の濃度を回復させ、筋肉の分解を防いでくれるのです。それだけでなく、筋トレ中にエネルギーが取れるのでスタミナが持ち、結果的に筋トレのパフォーマンスが向上します。

おすすめのHMBサプリが見つかる比較ランキングはこちら

ここまで読むと、HMBを使ったダイエットがどんなものか、その効果を上げるためにはどうすればいいか、どんなトレーニングをすればいいか、どんなサプリメントを他に取ればいいか、というのがわかって貰えたと思います。


あとは、どんなHMBを選ぶか、という事です。今世の中にはとても多くのHMBサプリがリリースされています。「何買えばいいの?」と悩んでいるあなたに、おすすめのHMBサプリをご紹介します。今人気のHMB製品を、成分、価格だけでなく、いろんな角度から評価しランキング形式で整理しました。きっとあなたに合ったHMBサプリがみつかると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

このサプリの副作用に関する口コミには要注意

HMBサプリの副作用を話すときに注意しなければいけないのは、「HMBという成分」と「HMBサプリに含まれているその他の成分」の二つに分けて考えなければいけません。世の中の「HMBサプリの副作用」に関する口コミは、残念ながらこの二つを一緒に語っているケースが多過ぎ。気をつけましょう。

まずHMBという成分の副作用。結論、「適量であれば副作用はありません」。以下の論文でも「副作用はこれまで観察されていない」と述べています。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov


最近、以下の様な動画がyoutubeに上がっていました。有識者が3分30秒ごろから副作用について説明しています。

 

次に、HMBサプリに含まれているその他の成分、いわゆるサポート成分の副作用。数十種類のHMBサプリの成分表示をチェックしましたが、含まれているサポート成分は、そのほとんどが、単独でサプリとして存在している様な一般的なものです。適量であれば副作用はないでしょう


気をつけなければならないのは、過剰摂取とアレルギー。誤って過剰摂取してしまった場合、体に悪影響がある可能性があります。特にサポート成分で亜鉛が入っている場合、大量に摂取すると吐き気や嘔吐、腹痛、低血圧が発生する可能性があります。また、サポート成分に対してアレルギー反応を示す可能性もあります。

ちょっとでもカラダがおかしくなったら、すぐに医者に行ってください。

 

 

以上!

プロテインとHMBは最強タッグ!でもそれで十分?

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HMBサプリのいろんな情報を発信していると、よく聞かれるのが「HMBサプリとプロテイン、何がどう違うの?」「HMBサプリを飲めばプロテインは飲まなくていい?」などの、プロテイン関連のお話。結論からいうと、「HMBは脂肪酸で、プロテインはタンパク質。全く違うもの」、「効率的に筋肉をつけたいなら、プロテインとHMBサプリを併用するべき」。

HMBは、「筋肉の分解を抑制」するだけでなく「筋肉の合成を促進」する働きがありますが、筋肉の元にはなりません。筋肉をつけるのであれば、筋肉の元、つまりタンパク質が必要なので、食事やプロテインなどからタンパク質をちゃんと取る必要があります。

プロテインとHMBがあれば、あとはもう筋肉が出来上がるのを待つだけ!?ではありません。一番重要なのは、筋肉が作られるきっかけを作ること、それが筋トレ。語弊を恐れずにいえば、プロテインとHMBを飲んでも、筋トレなしで筋肉はつきません。

このページでは、HMBとプロテインの関係性、そしてカラダ作りに必要な要素を解説します。カラダ作りに真剣になろうとしているあなたに、必ず知っておいて欲しい情報満載です。

そもそもHMBとプロテインの違いは?全然違う栄養素

いろんなHMBサプリ販売サイトが、HMBという成分をわかりやすく解説するために、「HMBサプリ一粒でプロテインXX杯分」と説明しています。その影響で「HMBとプロテインは同じもの」「HMBサプリを飲めばプロテインは飲まなくても大丈夫」と解釈されている傾向があります。

簡単にいえば、

  • プロテイン:タンパク質
  • HMB:脂肪酸


で、全く違うものです。プロテインの主成分であるタンパク質がカラダの中で分解されると、最終的に少量のHMBが生成されるので、こういう説明になっています。ですので、HMBは、鳥の胸肉を食べても摂取できます。

具体的な効果「筋肉の分解抑制」「筋肉の合成促進」

HMBという成分がなぜここまで人気になっているかというと、それは「筋肉に直接働きかける栄養素」だから。これまでの筋トレ用サプリは、筋トレのパフォーマンスを向上させるためのもので、間接的に筋肉へ作用していました。HMBはこれまでのサプリとは違い、筋肉の分解・合成(を司る酵素)に対して直接的に作用するのです。イメージでは、脂肪燃焼系サプリの筋肉版。

筋肉の分解を抑制する


筋トレを休んだりして筋肉を使わないと、体はその筋肉を「不要」と判断してしまいます。これは、人間の体の新陳代謝システムを考えて頂くとお分かりだと思います。その結果、筋肉を構成する筋タンパク質に対して、ユビキチンというアミノ酸が付加され、さらにその筋タンパク質をプロテアソームという酵素が分解してしまうのです。この一連の流れを「ユビキチンープロテアソーム系(UPS)」といい、HMBはこのUPSに対して働きかけ、筋タンパク質の分解プロセスを止めてくれるのです。

筋肉の合成を促進する


筋たんぱく質の合成は、体内にある「mTOR」という酵素が活性化することで促進されます。mTORという酵素は、様々な動物の体内にあり、複数のタンパク質をくっつけて複合体を形成します。HMBはこのmTORに対して作用し活性化を促すので、その結果筋肉の合成が促進されます。

このサプリを摂取するだけでカラダ作り(バルクアップ)はできるか?プロテインも必要

この質問に対する回答は結構難しいですが、正直言って「不可能」です。筋肉の元となるタンパク質があって初めて筋肉が作られます。HMBはその作られる過程に作用するだけ。

じゃあカラダを作るためにタンパク質はどれだけ取ればいいのか?人間のカラダは日々新陳代謝が行われ、筋肉や肌などを作るために新たなタンパク質が必要となります。一般成人男性が1日に摂るべきタンパク質量は60gと言われています。なので、カラダ作りにはそれ以上のタンパク質が必要となります。

一般的には、カラダを作るために必要なタンパク質摂取量は、体重の2〜3倍程度。例えば70kgの人なら、140〜210g。例えばこの量のタンパク質を鶏のささみ肉で取ろうとすると、鶏500g〜800g必要です。この量を食事で取ろうとするとかなり大変ですし、タンパク質以外の炭水化物や脂肪も同時に大量に摂取してしまいます。

以上より、タンパク質をストレートに摂取できる、それ以外の成分がほとんど入っていないプロテインがカラダ作りには必要。HMBとプロテインの組み合わせは最強なのです。最近では、HMBが含まれているプロテインパウダーも出て来ていますね。

カラダ作りのもう一つの要素「筋トレ(無酸素運動トレーニング)」

HMBとプロテインの組み合わせがカラダ作りには必要というのは前述の通り。でもこれだけではカラダ作りはできないでしょう。ちゃんと筋肉量を増やして行くには、一番重要なことが抜けています。それが「筋トレ(無酸素運動)」。

筋肉量を増やすためには、まず筋繊維を切断する必要があります。低負荷な運動ではまず筋繊維は切れないでしょう。ある程度高負荷な運動をすることで筋繊維が負荷に耐え切れず切断されます。その結果、肉体は大量のアミノ酸を使って筋繊維の修復をし、その結果繊維が太くなり筋肉量が増えます。

有酸素運動でも筋繊維は切断される場合はもちろんありますが、有酸素運動はエネルギー消費量が大きく、体内の糖質だけでなく、筋肉を分解してアミノ酸をエネルギーに変えようとしてしまう恐れがあり、筋肉量の増加に向けた運動としてはあまりふさわしくありません。

結論、「HMBサプリ+プロテイン+筋トレ」の組み合わせが、カラダ作りには必要なのです。

カラダ作りにおすすめのHMBサプリ比較ランキングはこちら

カラダ作りのプランニングが終わったら、あとはどんなサプリを買えばいいかを決めるだけ。ただ本当にいろんなサプリが存在するので、何を買えばいいかわからないのが正直なところでしょう。そんなあなたにおすすめのHMBサプリを提案させて下さい。
 
今人気のHMBサプリを、値段、成分含めていろんな角度から評価しランキング形式に整理しました。これを見れば、きっとあなたにぴったりのHMBサプリがみつかるはず。



そして、プロテインについてもこちらでランキングで整理していますので、併せてご覧ください。

BCAAやクレアチンの併用は必要?飲むタイミングは同時、サプリメントを全部混ぜるのが一般的な飲み方

プロテインとHMB以外に必要なサプリメントはあるのでしょうか?個人的には、必ず必要なものはないと思います。ただし、より効率的にカラダ作りをしたいと思ったら、私がおすすめするのは「BCAA」と「クレアチン」です。どちらも、筋トレ愛好家にとっては定番の筋トレサプリです。

BCAAは、筋トレ中にアミノ酸を体内に入れることで、筋分解が抑制されます。クレアチンは、筋トレ中の「もう一踏ん張り」のパワーが出る様に作用します。ですので、HMBサプリの多くにこの二つの栄養素が入っているのですが、サプリに含まれているのはごく少量です。本格的にカラダ作りに取り組む場合、個別で購入するのをおすすめします。

数種類のサプリメントを摂取する様になると、個別でそれぞれ飲むのは面倒。基本的には、今上げたプロテイン以外の筋トレサプリメントは全て筋トレ前に飲むようなものです。いわゆるプレワークアウトサプリ。ですので、プロテインシェイカーに全部入れて、水で溶かしてから一気に飲むのがいいでしょう。

 



以上!