HMBという成分の1日の適切な摂取量は3g。この3gをプロテインで摂取すると
20杯以上、という宣伝文句の影響か、「HMBサプリを摂取すると、オナラや体臭がきつくなるのでは?」という疑問を持つ方がいらっしゃいます。
たしかに、「プロテインを飲めばオナラや体臭がきつくなる」というのは昔から言われていること。実際これは正しく、プロテインの主成分であるタンパク質が原因で、オナラや体臭がきつくなる可能性があります。
一方でHMBはどうでしょうか?このページでは、HMBがオナラや体臭に与える影響を、プロテインと比較しながら説明します。結論、HMBがオナラや体臭をきつくすることはありませんのでご安心を!
はじめに:HMBサプリとプロテインの成分の違いは?
HMBを飲んだらオナラや体臭がどうなるのか?ということを考える前に、HMBとはどういうものか?ということを、プロテイン(タンパク質)と比較して整理しましょう。
ご存知HMBとは、ロイシンというアミノ酸が体内で代謝されてできるものです。そしてこのロイシンは、プロテインに含まれるタンパク質が代謝されてできるアミノ酸です。つまり、プロテインを飲めば、HMBを摂取していることになりますが、HMBとプロテイン(タンパク質)は同じものではありません。
そこでまず、みなさんに馴染みのあるプロテインが、オナラや体臭に与える影響を解説します。
プロテインを飲むとオナラが臭くなる原因
カラダ作りを開始し、筋トレに励み、筋肉の元となるタンパク質を、プロテインなどを通じてく多く取るようになると、まず気になるのがオナラ。
カラダ作りをしなくても、例えばアメリカなど肉を大量に消費する国に旅行に行ったら、どんどんオナラの匂いがきつくなったことを経験している人はいるでしょう。
なぜオナラの匂いがきつくなるのでしょうか?タンパク質を多く取るようになると、消化しきれないタンパク質が腸に届いてしまうからです。通常、タンパク質は胃や十二指腸、小腸で、酵素によりアミノ酸に分解され、その後小腸で吸収されます。しかし大量のタンパク質を摂取すると、消化しきれないタンパク質がそのまま小腸を通り過ぎ、大腸に到達します。
大腸には、ブドウ球菌やウェルシュ菌といった「悪玉菌」と言われる腸内細菌が存在しますが、その悪玉菌が消化されていないタンパク質の窒素を好んで食べます。その結果悪玉菌が増加して腸内環境が悪化し、さらに「アンモニア」や「スカトール」という、臭いガスを発生させます。
これが、タンパク質を多くとった時にオナラが臭くなるメカニズムです。
プロテインを飲むと体臭がきつくなるのか?
次にプロテインが体臭に与える影響です。体臭というのは、口臭と同じく、自分で自分の匂いが分かりづらいもの。体臭がきつくなるのは、何か理由があるのでしょうか?
体臭がきつくなる仕組みを説明しましょう。肌には肌を保湿するための皮脂を分泌する「皮脂腺」と、体内の水分を放出して体温を管理するための汗を分泌する「汗腺」の2種類があります。体臭が臭うのは、この皮脂や汗に、皮膚にある「皮膚常在菌」といわれる雑菌が作用するためです。
皮脂や汗は、分泌してすぐはほぼ無臭ですが、この皮膚常在菌と混ざって時間が経つと、皮脂に含まれる脂質やタンパク質、アミノ酸などの成分が酸化、分解されて、臭いガスを発し、体臭がきつくなるのです。
プロテインや食事を通じてタンパク質を多く摂取すると、皮脂にはより多くのタンパク質やアミノ酸が含まれます。その結果、臭いガスをより多く発することになります。
これが、タンパク質を多く摂取すると体臭がきつくなるメカニズムです。
結論:HMBサプリを摂取してもオナラや体臭がきつくなることはない
以上より、プロテインなどを通じてタンパク質を大量にとると、オナラと体臭がきつくなる場合があります。結局HMBはどうでしょうか?
まず、オナラ。先ほど言った、臭いガスを発生される悪玉菌が好む窒素を、HMBは含んでいません。HMBの化学式は「C5H10O3」であり、窒素(N)はありません。
次に体臭。体臭の原因はタンパク質とアミノ酸。HMBはタンパク質でもアミノ酸でもありません。
以上より、HMBを飲むことでオナラや体臭がきつくなることはありません。
以上!