HMBサプリの主成分HMBが、筋肉に作用するということは既にご存知のとおりだと思います。そして、HMBが、筋肉が分解するのを抑えたり、筋肉の合成を促進させたりすることもご存知の通り。
それでもまだHMBサプリの効果についてモヤモヤするのはなぜ?
多分、「HMBサプリは効果がない」という噂や口コミがネットで見つかるからでしょう。あくまでサプリなので、効果が現れるタイミングは人次第です。さらに面倒なのが、「痩せている人の筋肉には効果がない」と言った、根拠のない口コミも出てくる始末。
このページでは、まだこのサプリに対してモヤモヤしているあなたに、「HMBが筋肉に作用する」ことを説明する学術文献を紹介します。これを見れば、どんな人の筋肉でもHMBサプリが作用するということがわかり、モヤモヤは解消されるはず。
文献その1「HMBは寝たきりの高齢者の筋肉分解を抑制する」
2014年に、厚生労働省が様々な有識者を集めて作成した報告書です。おそらくこの文献は、HMBを紹介する日本語サイトで一番引用されているのではないでしょうか。この報告書の目的は、タイトル通り、「日本国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を決める」事です。
この中でHMBは、参考資料の「高齢者」のパートに登場します。高齢者の健康維持のために、筋肉減少を引き起こす「サルコペニア」という症状を予防するための手段の一つとして、HMBが紹介されています。
この報告書では、HMBの人体実験に関する海外論文を複数引用し、HMBの効果の可能性を説明しています。引用している論文の一つはこちら。
この論文は、2010年に「Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition」という業界専門誌で発表されました。台湾の学者が「寝た切りの高齢者」を被験者として、HMBを摂取する人と摂取しない人に分けて、肉体の変化を2週間から4週間観察したものです。
筋肉の分解によって発生する尿素窒素(血中+尿中)の量の変化を観察したところ、2週間後、4週間後のどちらも、HMBを摂取した人の方が、摂取しない人に比べて、尿素窒素の量が明らかに少なかったとの事。
つまりこの論文は、HMBが「筋肉の分解を抑制する」事を示す、格好の事例として見る事ができます。なお、この報告書で引用されているその他の論文は、同様に老人を被験者にしたものです。
文献その2「格闘家やボート選手などのアスリートの筋肉パフォーマンスを上げる」
この実験の対象は「高度に訓練された格闘家」です。12週間のHMBの摂取を通じて、彼等の身体能力、身体組成および肉体の状態を表す各種数値がどうなるかを確認したところ、明らかに変化したのが、除脂肪体重(全体重から脂肪を覗いたもの)と脂肪量。
HMBを摂取した格闘家は、HMBを摂取しなかった格闘家に比べて、除脂肪体重が増加し、脂肪量が減少したとの事です。直接的に筋肉量を測ってはいませんが、除脂肪体重の増加の一部は筋肉と見て間違いないでしょうし、脂肪量の減少は筋肉の増加による代謝量の増加によるものと推定されます。
この事から、高齢者だけでなく筋肉量の多い人でも、HMBが有効に働く事が確認できます。 そしてもう一つ紹介します。 www.ncbi.nlm.nih.gov
こちらの研究では、能力の高いボート競技選手を対象とし、HMBが彼等の肉体にどの様な影響を与えるかを調べています。ボート競技は、一定時間漕ぎ続けるため持久力が重要なのですが、HMBを摂取すればその持久力(有酸素能力)があがり、かつ脂肪量が減少したとの事です。
文献その3「運動していない普通の人の筋肉にも有効に働く」
以上より、高齢者に対しても、そして筋肉量の多いアスリートにも、HMBが有効に作用する事が示されました。これで「HMBの有効性は分かった!」となっている方が多いと思いますが、最後にもう一つだけ、文献を紹介させてください。
なぜなら、
全く運動してこなかった、筋肉量の少ない人でも効果があるの? と思っている方は、少なからずいらっしゃるのではないかと思うからです。これから紹介する研究結果が、この疑問に対する回答になるのではないでしょうか。
この文献は、いろんなHMB関連の論文をまとめ、本当にHMBの効果は何なのか?というものを明らかにしています。その中で、他の複数の研究結果を用いて「HMBは、激しい訓練を受けていない個人、および高い身体的ストレスに一定時間晒された熟練者に対して特に有効」と言及しています。
つまり、アスリートだけでなく、「運動をしていない人にも、HMBが有効に働く」という事が、様々な実験結果から言えます。
サプリメントを摂取しても運動をしないとバルクアップ効果はなし
今まで紹介してきた複数の文献を通して、HMBが普通の人にもアスリートにも、さらに高齢者にも有効に働く(筋肉量の増加)という事がわかりました。もちろん、この説に対して反対意見を投げかける論文もあります。
ここで一番重要な事を忘れてはいけません。
それは、HMBが我々の肉体に有効に働くためには、「運動が欠かせない」事です。3つめに紹介した文献では、「運動ができない健康な人がHMBを摂取しても、筋肉に何も影響がなかった」という研究結果が複数存在している、という記述があります。これは動物実験でも同じ事が言えたそうです。
HMBを紹介する多くのサイトでは、「HMBは筋トレをして初めて効果がある」 と言った事が書かれていますが、まさにそれを裏付ける研究結果です。筋トレ含む運動は、HMBの筋肉に対する作用を加速させる働きを持っていると考えられますね!
このサプリによく入っている成分「BCAA」「クレアチン」とは?
みなさんの中には、初めての筋トレサプリがHMBの人がいるかもしれません(結構多いと思います)。そんな人のために、HMB商品に入っている他の成分、例えば「BCAA」「クレアチン」というものを簡単に説明します。なぜこんなものが入っているの?その成分の期待される効果を見れば、「だから入っているのか!」と納得してもらえること間違いなし!
BCAAとは
BCAA(Branched-Chain Amino Acids)とは、筋トレを始めてまもない人が、筋トレのパフォーマンスを高めるため、プロテインの次に手を出す筋トレサプリです。人間の肉体を構成する20種類のアミノ酸のうち、筋肉の発達に寄与するバリン、たんぱく質の生成・分解を調整するロイシン、血管を拡張し集中力を高めてくれるイソロイシンの3つを総称したものになります。
この3つのアミノ酸を摂取することで「筋肉の減少を防ぐ」「筋肉疲労の回復を助ける」などの効果が期待できるので、HMBとの相性はバッチリ!
クレアチンとは
クレアチンとは、本気で肉体改造や体づくりを実践している人が必ずと言っていいほど飲んでいる筋トレサプリです。ウェイトトレーニングなどをしている時、「これ以上無理」と諦めてしまう時って結構あると思うんですが、そんな時でも「あと少しの踏ん張り」ができる効果が期待できます。
実はこの「あと少しの踏ん張り」が筋肉の合成にとても影響してくるため、本気系トレーニーはクレアチンを常用しているんです。よく「HMBとクレアチンを一緒に飲むのがいい!」のようなコメントを、HMBを販売しているサイトなどでよく見かけるのはこのためです。
HMBサプリの摂取タイミングはいつ?筋トレ前後がおすすめ
ここまで読んでいただいた方の頭の中に「HMBは危険な栄養素」となっている方はいないと思います。容量用法を守って摂取すれば、全く問題ありません。あとは効果を出すための「飲むタイミング」を最後に確認しておきたいところ。
いつ飲んでも良さそうなんですが、できれば一番効果が発揮されるタイミングに飲みたいと思うのが世の常。ポイントは「筋肉の合成が活発な時に、HMBが効いて欲しい」ということ。
筋肉の合成が活発な時って、「筋トレ後」。筋トレによって筋繊維が壊れ、その後体内のアミノ酸などを使い筋繊維の修復、筋肉の合成が行われます。そこにHMBが作用すれば言い訳です。
つまり、飲むタイミングのおすすめは「筋トレ前後」。多くの筋トレ愛好家が、筋トレ前「プレワークアウト」に、いろんな筋トレサプリにHMBを加えて摂取しているのはそのためです。
人気HMBサプリのおすすめランキング情報(日本・女性向け)
ここまで読んで頂いた方は、HMBという筋トレサプリが「カラダ造りに効果的」であることを確信したのではと思います。あとは買って筋トレを実践するだけ!
じゃあ、何がおすすめ?
筋トレサプリ研究家の私Professor FitがおすすめするHMB商品は、こちらにまとめています。いろんなHMB商品が存在している中で、ちゃんと信頼できて高品質なものがいいです。売っていたのでとりあえず買う、というのは危険!ちゃんと製造メーカーと成分をみましょう。
女性向けも登場
最近女性向けの国内商品もいくつか出て来ました。一般のHMB製品と比較すると、HMBの含有率が低かったり、美容やダイエットのための成分が入っていたりします。こちらにまとめていますので、ぜひチェックしてみて下さい。
以上!