ワークアウト虎の巻

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今話題の筋トレサプリ「HMB」の効果は?プロテインとの違い

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筋トレサプリ「HMB」、ここまで騒がれたサプリが過去にあったでしょうか。

なぜか?それはHMB(正式名称は「β-ヒドロキシβ-メチル酪酸(3-ヒドロキシイソ吉草酸)」)という栄養素が、今までのサプリとは違って「筋肉に作用する」効果を持つからです。

で、当然、皆さんが気にするのが「HMBサプリの効果」。各社の広告塔が揃ってマッチョなので、「飲むだけでマッチョになれるのでは!?」と考えてしまいがちですが、ここは冷静に、ちゃんとHMBというもの、およびその効果について理解を深める必要があると思います。

HMBサプリは、フィットネス大国アメリカでは、昔から「筋トレの効果を高める効果を持つ」筋トレサプリの定番として利用されています。何も怪しいものではなく、「効果の仕組み」を正確に理解して利用すれば、みなさんの体には明らかな効果が発揮されます。

このページでは、HMBサプリの基本的な情報から、みなさんが疑問に思っているHMBサプリの飲み方、効果を確実に出す方法などを書きました。これを読めばHMBサプリの全てがわかる!

一番大切なこと「HMBは薬ではなく、サプリメントであり食品」

なぜ皆さんはHMBサプリに興味を持つのでしょうか?   それは皆さんが、「仕事や家族で忙しい」なか、「自分の理想のカラダになりたい」と思っているからでしょうか。皆さんの中には、外食や接待続きで栄養バランスの偏った食生活を続けざるを得ない方もいると思います。

 

そんな人にとって、確かにHMBサプリは、今までの筋トレサプリメントの中で最適だと思います。なぜならHMBは、筋肉の合成を促進し、分解を抑制させる効果が期待できる栄養素で、かつその栄養素が凝縮して入っているのがHMBサプリだからです。

 

ここで気をつけなければなりません。HMBサプリを「飲むだけで痩せる、飲むだけで筋肉がつく、魔法の薬」という風に理解していないでしょうか?

もしHMBサプリが、そんな劇的な効果を期待できるようなものであれば、間違いなく「」として扱われ、サプリ「HMB」を製造・販売する企業は「医薬品等製造販売業・製造業許可」を行政からもらう必要があるでしょう。そして、オンラインなどで簡単に手に入るものではなくなるでしょう。

 

HMBサプリは、日本では今、「サプリメント」として販売されています。サプリメントとは「健康補助食品」であり法的には「食品」として分類されます。決して「薬・医薬品」ではありません。日々の生活を健康的に送るため、食事などで得られない栄養素を取るための手段、それが「サプリメント」です。

サプリメントですので、含まれる栄養素の濃度は、どんな消費者の口に入れても問題が起こらない程度のものとなっています(用法・用量を守って正しく使用した場合)。もちろん、アレルギーの人などは別です。

 

プロテインは「タンパク質」HMBは「脂肪酸」

ここまでの説明で、プロテインとHMBは明らかに違うものだということがわかってもらえるかと思います。簡単にいえば、

 

  • プロテイン:タンパク質。筋肉の元。
  • HMB:脂肪酸。筋肉の成長を促す。

 

となります。なので、HMBサプリを飲むだけで筋肉はできません。なぜならHMBは筋肉の元ではないから。いまの筋肉の分解を抑制して、体内のアミノ酸が筋肉になるのを促す働きがあるのみです。

 

最近よくみる「プロテイン20杯分の〜」という広告表現は、HMBをプロテイン経由で取ろうとしたらそのくらい飲む必要がある、という話。決してプロテイン20杯を飲んだことと同じにはなりません。プロテインを20杯飲んだ方が、明らかに筋肉はつきます。  

HMBの成分の効果は「筋肉の分解抑制」と「筋肉の合成促進」

HMBの期待される効果・効能はなんなのかということをちゃんとわかった上で、このサプリを使うべき。実験結果が出ているものもありますし、科学的に説明されたものもあります。その様な情報を元に、ここでは、HMBの主に期待される効果を紹介します。

筋肉の分解を抑制する

人間の体は、日々筋肉の分解と合成が行われているのですが、じゃあどんなメカニズムでもって筋肉が分解されているのかということを理解している人はそれほどいないのではないでしょうか。実は、HMBはこの分解プロセスに対して働くのです。

筋トレを休んだりして筋肉を使わないと、体はその筋肉を「不要」と判断してしまいます。これは、人間の体の新陳代謝システムを考えて頂くとお分かりだと思います。その結果、筋肉を構成する筋タンパク質に対して、ユビキチンというアミノ酸が付加され、さらにその筋タンパク質をプロテアソームという酵素が分解してしまうのです。この一連の流れを「ユビキチンープロテアソーム系(UPS)」といい、HMBはこのUPSに対して働きかけ、筋タンパク質の分解プロセスを止めてくれるのです。  

筋肉の合成を促進する

筋肉の分解は上記の通り説明しましたが、逆に筋肉の合成ってどうなっているの?というのも解説します。HMBはこの合成プロセスにも作用します。たんぱく質の合成は、体内にある「mTOR」という酵素が活性化することで促進されます。HMBはこのmTORに対して作用し活性化を促すので、その結果筋肉の合成が促進されます

 

その他にも、HMBは、メバロン酸という吉草酸の一種の合成を助け、そのメバロン酸が善玉コレステロールになります。このコレステロールは、筋肉の周囲に存在する筋細胞膜に対して作用し、その働きを強化します。直接的に筋トレの効果を最大化するわけではないですが、人間の体にいい働きをしてくれる栄養素としては非常に優秀なのです。  

おすすめの商品は?HMBサプリおすすめ比較ランキングはこちら

ここ1年くらいで日本製HMBサプリが沢山出回りだしました。筋トレサプリメント研究家の私Professor Fitがざーっと調べたところ、残念ながら、おすすめできるもの、そうではないものがあることがわかりました。   そうではないもの、というのは、例えば「製造元がわからない」とか「成分をみると、明らかにコスパが悪い」とか。

何を買えばいいの?

と迷っている皆さんのために、私がちゃんと調べてまとめました。是非チェックしてみてください!「買ったけど、失敗だった。。。」と悲しんでいる姿なんて見たくない!

 

最後にひとこと。  HMBは、決して怪しい栄養素ではありません。その働きが科学的に説明ができる、ちゃんとした栄養素です!今年こそ理想のカラダをHMBサプリで!

 

 

飲むだけではダメ 筋トレはマスト

HMBサプリを飲んでちゃんと効果を出そうとなった時に、一番忘れてはならないのは「筋トレ」。逆に筋トレをしないと効果はない、そう言い切ってもいいくらい必要です。
 
このHMBに関する論文を見ると、「運動ができない健康な人がHMBを摂取しても、筋肉に何も影響がなかった」という研究結果が複数存在している、という記述があります。HMBサプリを紹介する多くのサイトでは、「HMBは筋トレをして初めて効果がある」 と言った事が書かれていますが、まさにそれを裏付ける研究結果です。
 
筋トレの必要性は科学的にも明らかになっています。なのでHMBサプリのいくつかは、筋トレ本やDVDが付属しているのです。

サプリを摂取するタイミングは?何時間くらいで吸収されるの?

HMBサプリを飲む適切なタイミングはいつなんでしょう?やっぱり、「筋肉の合成が活発な時に、HMBが効いて欲しい」ですよね。一般的な薬を見てみると、飲むと30分くらいで小腸に到達して成分が吸収され始めます。その後、2時間くらいで血中の成分の濃度がピークを迎え、最終的には飲んでから4〜8時間の間効果が発揮されます

 

HMBも一般的な薬と同じく小腸で吸収されます。飲んで2時間くらいで効果のピークが来ることを考えると、筋トレ前のタイミングに飲むのがいいでしょう。そうすれば筋トレ後の、筋肉の合成が活発な時にHMBが効いてくれるはず。多くの筋トレ愛好家が、プレワークアウト(筋トレ前)用の筋トレサプリにHMBをブレンドして飲んでいるのは、理にかなっている訳ですね。

 

HMBの効果が持続する時間は、容量用法を守って飲むと、4〜8時間ほどでしょう。じゃあ一度に沢山飲めばもっと長く続くの?と考えガチですが、多少長くなるだけ。しかも、HMBは、沢山摂取すると、逆に効果がなくなってしまうという実験結果があります。無茶な飲み方は避けましょう。

ダイエットに効果があるの?ないの?副作用は?

ダイエットってつまり、体の脂肪分を少なくすること。HMBは脂肪に作用しません。なので直接ダイエットに効果はありません。でも、HMBサプリをとることで、筋肉の合成を促進し分解を抑制するので、筋肉量が増えます(もちろん、飲むだけで明らかに増えることはなく、ちゃんと筋トレが必要です)。

筋肉を動かすためには、より多くのエネルギーが必要になるわけですから、新陳代謝がよくなって、結果的に脂肪分が少なくなる可能性があります。一時期、「HMBサプリを飲むだけで痩せる」という広告表現がありましたが、そんなことはありません!

 

HMBの副作用については、こちらで解説しています。 簡単にいえば、そもそもロイシンが体の中で代謝されてできたものなので、体に悪影響があるものではありません
ただし、HMBサプリの中には、いろんなサポート成分が含まれています。アレルギーを持っている場合は飲むのを控えてください。そして過剰摂取すると貧血になる可能性もあるので、くれぐれも商品の成分表示を確認して、容量用法を守って摂取してください。  

サプリの効果をアップさせる「BCAA」と「クレアチン」

みなさんの中には、初めての筋トレサプリがHMBの人がいるかもしれません(結構多いと思います)。そんな人のために、HMBサプリによく入っている他の成分、「BCAA」「クレアチン」というものを簡単に説明します。なぜこんなものが入っているのかは、その成分の期待される効果を見れば一目瞭然!  

BCAAとは

BCAA(Branched-Chain Amino Acids)とは、筋トレを始めてまもない人が、筋トレのパフォーマンスを高めるため、プロテインの次に手を出す筋トレサプリです。人間の肉体を構成する20種類のアミノ酸のうち、筋肉の発達に寄与するバリンたんぱく質の生成・分解を調整するロイシン血管を拡張し集中力を高めてくれるイソロイシンの3つを総称したものになります。

この3つのアミノ酸を摂取することで「筋肉の減少を防ぐ」「筋肉疲労の回復を助ける」などの効果が期待できるので、HMBとの相性はバッチリ!  

クレアチンとは

クレアチンとは、本気で肉体改造や体づくりを実践している人が必ずと言っていいほど飲んでいる筋トレサプリです。ウェイトトレーニングなどをしている時、「これ以上無理」と諦めてしまう時って結構あると思うんですが、そんな時でも「あと少しの踏ん張り」ができる効果が期待できます。

実はこの「あと少しの踏ん張り」が筋肉の合成にとても影響してくるため、本気系トレーニーはクレアチンを常用しているんです。よく「HMBサプリとクレアチンを一緒に飲むのがいい!」のようなコメントを、HMBを販売しているサイトなどで見かけるのはこのためです。    

どのくらいの期間飲み続ければ効果が出るのか?

これは、HMBサプリに関する質問の中でもっとも難しい。でも皆さんが一番気になること。結論からいうと、「人によっては1〜2ヶ月で効果が見られるが、人による」というのが適切な答え。

 

世の中には筋肉がつきにくい人もいる訳ですし、その様な人は、効果が見られるまでに平均よりも長い期間がかかるでしょう。筋トレをどれだけ頻繁にできるか、どれだけの強度の筋トレをしているか、というところも大きく影響します。

 

筋トレの頻度はどの程度がいいのでしょうか。ちなみに、HMBサプリを取らなくても、例えば週に2回程度ジムに行って筋トレ(1時間程度)をすると、1ヶ月でカラダのシルエットに変化が出だし、2ヶ月で明らかに体が変わってきます。これは私の実体験です。

 

また筋トレの強度についても重要。筋肉の合成を促す必要があるので、まずは筋繊維が切る必要があります。つまり、踏ん張るくらいの負荷がかかる筋トレが必要でしょう。余裕を感じるトレーニングでは意味がありません。

 

ダイエットなら、普段の食生活から糖質を抜けば、2,3週間で明らかにカラダが変わるでしょう。ですがカラダ作りはダイエットとは違い、時間がかかるもの。HMBを飲み、負荷のかかる筋トレを定期的に行い、しっかりタンパク質を摂取していれば、数ヶ月以内に必ず変化が訪れるはず。

ネットの口コミ情報や関連記事は信用できるの?

HMBというキーワードでgoogle検索してもらえると実態がわかると思いますが、匿名の口コミ情報がほぼ全て。どんな人なのか、実際使ったのか、全くわかりません。楽天とかアマゾンのレビューの方がまだマシ。

 

そして、残念ながら、多くのHMBサプリ関連サイトが(HMBサプリを販売しているサイト自体でさえも)、「なぜHMBサプリが効果があるのか」の説明がなされていません。「たんぱく質が体内でロイシンに分解され、ロイシンが代謝されHMBになる。だからHMBを摂取するべき」という説明で、HMBサプリがなぜ有効かわかりますか?

 

一部のサイトにおいては、「厚生労働省のHMBに係るレポート」を引用したりして「HMBを詳細に解説している風に見える」のですが、日本語がおかしく「ただ文字が多いだけのHMBサイト」になっています。そのサイトが検索の上位に表示されてしまっていることは、明らかに由々しき問題

 

ネットの口コミ情報や関連記事は、じっくり読んで内容を確認してください。少しでも「おかしい」と思ったら、その情報は信用しない方が懸命です。

 

 

 

以上!