ワークアウト虎の巻

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HMBとクレアチンの相性を徹底解明!

HMBサプリをネットで検索していると、よく目にするのが「クレアチン」という単語。

ご存知の方もいると思いますが、クレアチンは、常に人間の体内に存在しているもの。この成分の効果はシンプルで、「今までよりもパワーが出て、もうひと頑張りができる」。90kgしか上がらなかったベンチプレスが100kgになったり、10回しか上がらなかったのが12回まだ上がるようになったり。

一方でHMBは筋肉の分解抑制と合成促進の効果がありHMBとクレアチンの接点がよくわからない。

なんでHMBとクレアチンが一緒に語られるの?HMBとクレアチンて何か関係性があるの?

このページでは、クレアチンというサプリ・成分について詳細を説明し、HMBサプリとクレアチンサプリの併用の効果を解説します。ぜひご覧ください。

そもそもクレアチンとは何か?HMBと何が違うのか?

クレアチン(Creatine)とは、筋肉の中に含まれる有機酸の一種。肝臓や腎臓で生成され、成人の体内には100〜140gのクレアチンが蓄えられています。また、生成するだけではなく、日常生活のエネルギーとして、毎日2g程度が消費されています。

かなり昔からサプリメントとして存在していますが、我々は普段の食事からもクレアチンを摂取しています。例えば生肉、生魚には、以下の通りのクレアチンが含まれています。

各食品500gに含まれるクレアチンの量

  • 鰊:3.3g
  • 豚肉:2.5g
  • 牛肉:2.2g
  • 鮭:2.2g
  • 鮪:2.0g

日本食品機能研究会


クレアチンは1日2g消費されるため、それを補う量を食品から取ろうとすると、鮪であれば500g取らなければなりません。食品からクレアチンを摂取するのは至難の業なのです。

このサプリメントの効果は?摂取タイミングは?

クレアチンの効果は、冒頭の通り「今までよりもパワーが出て、もうひと頑張りができる」というもの。クレアチンがパワーの源になるのですが、皆さんのイメージでは「体を動かすエネルギーって、糖質やアミノ酸じゃないの?」ということだと思います。

その通りです。間違っていません。じゃあクレアチンが糖質やアミノ酸を生成するかというとそうでもありません。実は、糖質やアミノ酸がエネルギーとして使われる運動は「有酸素運動」で、クレアチンが生み出すエネルギーが使われる運動は「無酸素運動」。

無酸素運動とは、具体的には重量挙げや短距離走などの「瞬発力」が求められる運動のこと。ぐっと踏ん張ってパワーを出すときに使われるのは、糖質やアミノ酸ではありません。

クレアチンがどうやってこのエネルギーを生み出すか。筋肉にはATP(アデノシン三リン酸)というものがあり、このATPが運動を通じてADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に分解されます。この分解時に発生したエネルギーが、瞬発力のエネルギーとして使われるのですが、クレアチンはADPをATPにもう一度戻し、再度分解できる状態にします。この作用によって、より多くの瞬発力エネルギーを生み出すことができ、今まで10回しかウェイトを挙げられなかったのが12回まで挙げられるようになるのです。

ただ、このリンク先でも確認できる通り、すべての人がクレアチンの効果を享受できるものではありません。取り上げられているいろんな実験結果を見ると、「影響は認められなかった」という記述が散見されます。

「健康食品」の安全性・有効性情報



クレアチンの摂取タイミングは、他の筋トレ用サプリとは少し異なります。他の筋トレサプリと同じく、筋トレ時のパフォーマンスを高めるために筋トレ前に摂取する方法と、もう一つはローディングと言われる方法。

ローディング(Loading)とは、充填のこと。クレアチンは、ある一定量カラダに貯めて置くことができるので、1,2週間かけて通常よりも多くのクレアチンを毎日飲みます。ただしこの飲み方には注意が必要で、体がクレアチンに慣れない様に、ローディング後は一定期間クレアチンを飲まない様にしなければいけません。

併用することで筋肉量の増加が促進される

クレアチンを飲むと、重いものが持てる様になったり、ベンチプレスの回数が増えたりするというのは上述の通りですが、ではなぜそのような成分が、筋肉の分解抑制と合成促進という効果を生むHMBと相性がいい、と言われているのでしょうか?それは、筋肉ができる仕組みを考えると明白です。

筋肉が大きくなるには、必ずその前に筋肉の筋繊維が切断されていなければなりません。切断された筋繊維が修復されるときに、カラダはより強い筋肉を作ろうとして、その筋繊維を太くします。これが筋肉が大きくなるメカニズムです。

では筋繊維が切断されるには、何が必要でしょうか?余裕で挙げられるものを挙げても筋繊維は切れません。力を入れて頑張って持とうとして初めて筋繊維は切れます。クレアチンを摂取することで、今までよりも重い重量を挙げることができるようになるため、より多くの筋繊維が切断されることになります。

ここでHMBの登場です。より多くの切断された筋繊維が修復されるとき、筋肉の合成を促進するHMBが作用すると、より効率的に筋繊維の修復が行われるので、結果的に筋肉の増加量が増えるのです。

以上の説明が、実際の実験を通じて検証された論文があるので、こちらに紹介しておきます。

https://www.nutritionjrnl.com/article/S0899-9007(01)00540-8/abstract



この論文では、HMBとクレアチンの相性を確認するため、被験者を「クレアチンのみ摂取」「HMBのみ摂取」「クレアチンとHMBを併用」でわけ、それぞれにトレーニングをさせました。結果、クレアチンとHMBを併用させた被験者群の除脂肪体重の増加が、他の群よりも大きくなったのです。

 

f:id:aosoranet:20180515220807p:plain

(出展:Nutrition 2001;17:558-566)


それだけでなく、その増加分は、HMBのみ摂取した群の平均とクレアチンのみ摂取した群の平均を大した増加分以上になりました(上記グラフ参照)。特殊な化学反応等があるとは想像できませんが、いずれにしてもこの結果より、HMBとクレアチンの相性は間違いなく「良い」、と言えます。

クレアチン配合サプリは「買い」か?

人気HMBサプリには、サポート成分としてクレアチンが含まれる商品があります。workout虎の巻のランキングで取り上げているHMBサプリに関しては、およそ半分の商品にクレアチンが入っています。おそらくサポート成分としては一番人気のある成分でしょう。

ただしあくまでサポート成分としてなので、クレアチンの含有量はごくわずか。最近以下の様な「HMB+クレアチン」なる商品が発売されましたが、商品名にクレアチンと明記されていても、HMBCa1500mgに対して100mg。まぐろの刺身2切れ分程度。

 

noguchi-shop.com

 

先ほど紹介した論文も、被験者に与えたクレアチンは、以下の抜粋の通り、「最初の1週間は1日20gで、その後は1日10g」という、かなりの量です。

 

The CR/HMB group took 20 g of CR and 3g of HMB daily for the first 7d and then 10g of CR and 3g of HMB daily for the remainder of the study.

 

クレアチン自体はHMBと比べるとかなり廉価です。安いものでは、1kgで2000円弱。本気でクレアチンとHMBの相乗効果を狙って短期間で肉体改造を行うのであれば、HMBサプリとは別で、クレアチンサプリを購入することをおすすめします。

併用するべきその他筋トレ用サプリメント「プロテイン」「BCAA」

  • プロテイン

HMBサプリで筋肉をつけようとしても、筋肉の元がないと全くの無意味。筋繊維が修復されるとき、筋肉の元となるアミノ酸(タンパク質が代謝されたもの)が体内に十分にないと、筋肉量は増えません。普段の食事を通してタンパク質をたくさん摂っていれば問題はありませんが、仕事や家族などで忙しい場合はどうしても不足してしまいがち。
そんな時にお手軽にタンパク質を摂取できるのがプロテイン。昔は「飲めば太る」という悪いイメージがありましたが、ここ数年でやっと状況が変わってきました。女性の間でもプロテインダイエットが流行ってきていますし、いろんなプロテイン商品が販売されています。

最近ではウィダーやSAVASがプロテインゼリーやプロテインスナックなどを販売して、どこのコンビニでも買えるようになりました。タンパク質が足りていないなぁと感じた時は、迷わずプロテインを摂ってください。

  • BCAA

プロテインと同様、こちらも筋肉の元となるアミノ酸のサプリメントです。ジムなどに行くと、筋トレをしながらカラフルな飲み物を飲んでいる人がいますが、その正体はこれ。筋トレをするとアミノ酸がエネルギーとして消費され、体内のアミノ酸がなくなってきます。そうするとカラダは、エネルギーとしてのアミノ酸を、筋肉を分解して作ろうとします。筋肉量を増やそうとしている人にとって、これは致命的。

血中アミノ酸欠如による筋分解を防ぐために飲むのがBCAA。この様な筋分解が起こりうる時は、何も筋トレ中だけではありません。例えば、「長時間の断食」と考えられる睡眠は、血中アミノ酸を消費します。つまり寝起きは筋分解が起こりうるタイミング。そんな時BCAAを飲むことですぐに血中アミノ酸濃度が回復します。

HMBサプリ比較ランキングはこちら

workout虎の巻では、本気で理想のカラダに向けて取り組もうとしている方のために、おすすめのHMBサプリをランキング形式で紹介しています。クレアチンなどのサポート成分だけでなく、値段などいくつかの評価ポイントを数値化しています。何を買えばいいか迷っているのであれば、ぜひこの比較ランキングを見て、あなたにあったHMBサプリを見つけてください。

 

 

以上!