ワークアウト虎の巻

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HMB、カルシウムの有無で何が違うか?意外な効果とは?

HMBサプリを色々と見ていると、「HMB」というものと、「HMBカルシウム」の2種類の言葉が見つかると思います。この二つは違うものなのか、それとも同じものなのか?HMBカルシウムを買っていいのでしょうか?

実は、世の中のHMBサプリは、タブレットタイプもパウダータイプも全てHMBカルシウムを原料としています(一部液体の商品を除き)。なぜこのような状態なのかも理由があります。

このページでは、HMBカルシウムがどういうものかを科学的に説明します。そして、このサプリを摂取すると、日本人の慢性的なカルシウム不足を解消する一助になることも解説します。

カラダ作りにも重要なカルシウムが同時に取れるサプリは、意外と貴重です。ぜひ読んで見てください。

ダイエットやスポーツのパフォーマンスを向上させる筋肉サプリ「HMB」

workout虎の巻で特集している「HMB」というサプリが肉体に直接与える効果が、筋肉の合成促進と分解抑制ということは幾度となく説明してきました。そして、このサプリの効果を発揮させるには、筋トレなどの「高負荷トレーニング」が必須であることもお話しました。逆にこのトレーニングがないと、効果は発揮されないと言っていいでしょう。

もともとフィットネスの分野で筋肥大を目的として飲まれることが多いHMBですが、最近ではダイエットや、スポーツのパフォーマンスをあげるために飲まれるケースも増えてきました。今ではダイエットサプリにHMBが含まれたり、スポーツ用品メーカーがアスリートを対象としてHMBサプリを販売したりしています。筋肉に与える効果を考えると、このような状況は簡単に理解できます。

この筋トレサプリ商品の原料は一体なに?

HMBサプリのパッケージの裏面を見ると、名称に「HMBカルシウム含有食品」と書いてあります。国内の製品はもちろん、海外の製品(例えばNow Foods HMB)も、「HMB from Calcium β-Hydroxy β-Methylbutyrate Monohydrate」という名称になっています。一体どういうことでしょうか?

 

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出展:Now Foods HMBパッケージ


実は、HMBのタブレット型、パウダー型の商品の原料は、全てこのHMBカルシウム。HMBカルシウム(HMBCa)とは、HMBにカルシウムが結合したもの。摂取したあと、HMBCaは体のなかでHMBとCaに分解されて、その後HMBが吸収されて血中に入っていきます。

 

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出展:Chemispider

なぜHMBがカルシウムと結合しているかというと、HMB自体が常温では液体で、カルシウムと結合させタブレットやパウダーになります。

 

なお、HMB商品に、「HMBCaが2,000mg」と書いてある場合、HMB自体は2,000mg入っている訳ではありません。HMBCaの化学式は「C10H18CaO6(分子量 274、Caの原子量 40)」なので、HMB自体は全体の8割強となります。

食事の変化で日本人は慢性的にカルシウム不足(厚生労働省の調査結果)

日本人がカルシウム不足なのは有名な話です。厚生労働省の調査でも指摘済み。理由は日本という国の置かれている環境と食文化。日本の飲料水は軟水でカルシウムなどのミネラル分の含有量が少ない。さらに西洋文化の浸透による、魚から肉へのシフトにより、カルシウムを取る量が減少。欧米の人のように、ミネラル分を多く含む硬水を飲む訳でもなく、牛乳や乳製品を好む訳でもないので、日々の食生活から摂取するカルシウム量は限定的です。

カルシウムが欠如することによって肉体にはいろんな影響が出てきます。脳の神経細胞の働きが低下してイライラしやすくなったり、さらには、血管の老化を早め高血圧や動脈硬化の可能性も高くなってきます。我々日本人は、過度なくらいにカルシウムを意識して摂取することが重要だと言えます。

このサプリメントの意外な効果「1日に必要なカルシウムの半分が摂取できる」

厚生労働省のレポート「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」によれば、成人(30-49歳)の1日に摂るべきカルシウム摂取量の推奨量は、男性も女性も「650mg」としています。一方で現実の推定摂取量は「550mg」。100mgほど不足していることになりますが、カルシウムが不足しているのは成人だけではなく、全世代。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要(厚生労働省)


もともとHMBサプリは、HMBという成分を摂取するのが目的ですが、同時にカルシウムも相当量取れるのは意図せぬメリットです。HMBCaの推奨摂取量は「3,000mg」とされていますが、この量のHMBCaを摂取した場合、実はカルシウムが300mg以上取れることになります。1日の目標量の半分が取れるのは嬉しい。

一方で、食品からカルシウムを取ろうとすると、以下の通り。以外と簡単と思うかもしれませんが、特に仕事などで忙しい成人が毎日この分量を取ろうとすると、意識をしないとかなり難しいでしょう。さらに吸収率を考慮すると、さらに多くの食品を取らなければなりません。

 

  • 牛乳 コップ1杯(200g) 220mg
  • 小松菜 1/4束(70g) 119mg
  • ししゃも 3尾(45g) 149mg
  • 納豆 1パック(50g) 45mg

大切な栄養素カルシウム:農林水産省

 

人気HMBサプリの比較ランキング

現在たくさんのHMBCaサプリが存在しています。海外製品も入れればおそらく何十種類にもなっているはず。何を買っていいか迷ってしまいます。そんな皆様のために、主要HMBCaサプリの比較ランキングを作成しました。

値段、成分など複数の基準で10種類以上のHMBサプリを評価し、その中でもおすすめの商品を紹介しています。カラダ作りに本気になったあなたに、ぜひ見て欲しい比較ランキングです。以下のリンクからどうぞ。

このサプリメントの成分が日本にとって重要なもう一つの側面

フィットネスの世界のみならず、ダイエットやスポーツに応用利用されているHMBカルシウムですが、今後応用されると思われるのが高齢者向けヘルスケア。筋肉量が落ち骨密度が低下する高齢者にとって、また高齢化社会に突入した日本にとって、HMBカルシウムの効果「筋肉の分解抑制」「カルシウム摂取」は非常に重要になってくるでしょう。

HMBに関する日本でもっとも有名な厚生労働省の2015年のレポートで、高齢者のHMBカルシウムの摂取の重要性について言及しているのは非常に納得のいくところです。すでにいくつかの高齢者向けサプリにHMBカルシウムが配合されだしていますが、この流れは今後も間違いなく続くのではないでしょうか。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042643.pdf

 

 

以上!